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おすすめ図書 2014年

12月

ロボット兵士の戦争

ロボット兵士の戦争

P・W・シンガー/著 小林由香利/訳  日本放送出版協会

SF作家、アイザック・アシモフが提唱した「ロボット工学の三原則」というのをご存知でしょうか。それは次のような原則です。
第一条 ロボットは人間に危害を加えてはならない。また、その危険を看過することによって、人間に危害を及ぼしてはならない。
第二条 ロボットは人間にあたえられた命令に服従しなければならない。ただし、あたえられた命令が、第一条に反する場合は、この限りではない。
第三条 ロボットは、前掲第一条および第二条に反するおそれのないかぎり、自己をまもらなければならない。
(引用:I・アシモフ/著 小尾芙佐/訳『われはロボット』早川書房 1988 p5)
現実に「ロボット工学の三原則」を「価値基準」とする精巧なロボットはまだ誕生していません。それでも、ロボット工学の技術は着実に進み、それは戦場という環境においても例外ではありません。本書『ロボット兵士の戦争』はロボット兵士の登場が戦場に与える影響、可能性、そして最新のロボット工学について述べられています。「ロボット工学の三原則」が、フィクションではなく現実となるのもそれほど先ではない、そんな期待と不安を感じる一冊です。(阿佐谷図書館作成)

11月

西遊記 (上・下)

西遊記 (上・下)

平岩弓枝/著  毎日新聞社

西遊記、最後まで読んだこと、おありですか。最後はどうなるか、ご存知ですか。
平岩版西遊記は、これまでの西遊記と比べると、著者平岩弓枝さん独自の解釈と演出が随所にちりばめられ、人情味あふれるストーリーとなっています。
たとえば、悟空が三蔵の悲しい過去を聞くくだりや、憎まれているとばかり思っていた哪吒太子(なたたいし)と友になり、金角銀角と対決するくだり。また、悟空の育ての親である、花果山の山神との絆。これらは新解釈が効果的に働き、さらに感動的になっています。
登場人物がみな優等生で、汚い言葉づかいがほとんど見受けられないところも、平岩版の特徴でもあり、好感が持てます。
挿絵では、ひたむきな悟空が愛らしく描かれていて、帯書の宣伝文とあわせて話題になりました。帯に書かれていたのは「今までで一番美しい西遊記」。その言葉にうそはありません。
きっと泣ける、平岩版西遊記。かならずハンカチをご用意ください。(西荻図書館作成)

10月

地のはてから(上・下)

地のはてから(上・下)

乃南アサ/著  講談社

人というものは、果たしてどこまで自分で自分の一生を決めたり選んだり出来るものでしょうか。大正時代、2歳のとわが福島から開拓のため入植したのは、アイヌ語で「地のはて」を意味する知床でした。苦労して拓いた土地を捨て、母の再婚相手の家族に虐げられ、とわの人生は忍耐と諦めの連続です。追われるように決められた道を歩まざるを得ない日々の中で、「何のために生きるのか」と問いかけながら、家族を想い懸命に働き続けます。選択の余地がないというのは残念なことですが、受け容れる覚悟と脇目も振らず突き進む強さを得て、自分の人生を切り拓いていく姿からは、それもまた自分の選択だと感じられます。家族や周囲の人々と助け合う暖かさ、厳しい自然が見せる美しさが圧巻です。
開拓=過酷な自然、壮絶な苦難、という漠然とした印象を払拭してくれる読み応えのある作品です。(成田図書館作成)

9月

ひみつの王国 評伝石井桃子

ひみつの王国 評伝石井桃子

尾崎真理子/著  新潮社

「くまのプーさん」等の翻訳者・「ノンちゃん雲に乗る」等の作者として、また子どもたちに直接お話を届ける文庫活動に取り組み、住まいの一画にかつら文庫を開いている児童文学に多大な貢献された石井桃子氏の評伝です。
著者は、2002年に当時95歳の石井氏を軽井沢の別荘に訪ね、のべ5日間200時間にわたってインタビューを行い、今まで自ら表に出さなかったこと、特に戦前の青春時代の日々・戦中の動きや東北での農業従事等の前半生についてまとまった話を聞き出しました。その事柄こそが石井氏の心の中の「ひみつの王国」の敷地内だったのでしょう。
1907年に8人兄姉の末っ子として生まれた石井氏は、「親は5人目の娘まででどう面倒見るかわからなくなった。」ということで、日本女子大英文学部へ入学しました。
在学中に友人と菊池寛の家に押し掛けて、翻訳のアルバイトをしたことが社会に出るきっかけとなりました。その時の文藝春秋社で、心の友となる小里文子と出逢います。
文子は荻窪に一人で住んでおり、(その頃の事は「幼い朱い実」に書いてありますので、こちらも読んでみて下さい。) 戦後その家を引き継いだ石井氏が開いたかつら文庫は、現在の「東京子ども図書館分室」となり活動を続けています。庭には文子が故郷の松本から移植した桂や金木犀が古木となり、訪れる人々を迎えていますので一度行かれてみてはいかがでしょうか?(宮前図書館作成)

8月

ニッポン周遊記

ニッポン周遊記

池内紀/著  青土社

著名なドイツ文学者で、エッセイストでもある池内紀さんが、北は北海道から南は沖縄まで、世間の人々が訪れるいわゆる観光地とは違う、30か所の町をめぐった日本各地の周遊記です。
副題は、「町の見つけ方・歩き方・つくり方」となっています。珍しい地名であったり、どこかで聞いて記憶の片すみに残っていたりして気になっている町を見つけ、町の過去から現在への歴史的背景や人々の暮らしぶりを実際に歩いて体感し、さらには元気で個性的なまちづくりを実践している町を紹介し、町づくりの方法にも言及するといった内容になっています。
町歩きをしている中で、筆者がこうした町づくりの在り方まで考えるようになった理由には、地方都市や農山村の疲弊ぶりを感じ、何とか町の再生を願いたいという思いがあったからではないでしょうか。日本は確かに、豊穣な自然と歴史的な文化遺産に恵まれています。筆者の言うように、地方の町にもまだまだ甦りの手だてがあるように思います。
紀行文としては少しテーマが重い気もしますが、それぞれの町の魅力が具体的に書かれているので、興味深く読み進められる著書です。(高円寺図書館作成)

7月

一〇〇年前の女の子

一〇〇年前の女の子

船曳由美/著  講談社

明治42(1909)年に栃木県の群馬県境近い、高松村で生まれた女性の一生を、娘である著者が記したのが本書である。明治生まれの一人の女性「寺崎テイ」が、子ども時代から大人になっていく過程を、周囲の出来事を丁寧に綴りながら描く。
生母はテイを産むと家に戻らず、実父は後妻を娶る。テイは養女に出され、五歳ながら着のみ着のままで、一日中働かされる。北関東の村落での日々の暮らし、季節の移り変わりのなかでの生活が、生き生きと描かれていく。福島からわずかなお金と引き換えに奉公に出された男の子や、越後のほうから集団でやってくるごぜさんの様子、季節の行事などの日常が少女の目線で語られる。そのどれもが実に具体的で様子がありありと目に浮かぶ。
本書に描かれた情景は、読者のさまざまな体験や思いをそこに重ねながら、明治から昭和へ移り変わっていった一つの時代を感じさせてくれるだろう。 

6月

なぜヤギは、車好きなのか? 鳥取環境大学のヤギの動物行動学

なぜヤギは、車好きなのか? 鳥取環境大学のヤギの動物行動学

小林朋道/著  朝日新聞出版

2001年、鳥取環境大学では、大学のキャンパス内でヤギを飼育する「ヤギ部」が誕生しました。この本は、その「ヤギ部」で実際に起きた様々なエピソードを、動物行動学の視点から記録したものです。
本書の魅力の一つは、ヤギたちに対する興味深い実験の数々です。タイトルにもなっている、ヤギが車を好きな理由を探る実験や、ヤギの学習能力を検証する実験などを通して、動物としてのヤギの習性が理解できます。
また、ヤギ部顧問である著者の心情が織り込まれたエッセイ風の文章も、魅力の一つです。「動物行動学」や「実験」と聞くと専門家向けの堅苦しい内容だと思われてしまうかもしれませんが、決してそのような本ではありません。個性豊かなヤギたちの「気持ち」や「意思」を代弁する、著者の深い愛情にあふれた読みやすい文章で、専門的な知識がなくても十分に楽しめる一冊です。
本書を読み終わる頃には、ヤギを含め、動物たちは「自分たちの自由になるぬいぐるみではなく、はっきりとした意思をもった存在である」ことを強く感じられることでしょう。(中央図書館作成)

5月

産地別すぐわかる和紙の見わけ方

産地別すぐわかる和紙の見わけ方

久米康生/著  東京美術

中国より伝来し、日本各地で受け継がれてきた、手漉き和紙。
もとは文字や絵を描くことに用いられた和紙ですが、時代を経るにつれて団扇や提灯、和紙人形やちぎり絵など生活用品や工芸品にも使用されるようになりました。
この本では、和紙の作り方や寸法など基本的なことから、産地別に著名な和紙を紹介し、特徴や用途をわかりやすく解説しています。画像もカラーで印刷されているため、和紙の質感もうかがえます。
この本を読み、中でも「京千代紙」や「美濃美術工芸紙」に私は興味を持ちました。
「京千代紙」は上品で鮮やかな模様の美しさが目を引きますし、「美濃美術工芸紙」は提灯などに使用され淡いながらもあたたかなぬくもりを感じます。ぜひ手元におきたいと思うほど、和紙の魅力はつきません。
皆さんもぜひ手にとって、お気に入りの和紙を見つけてみませんか?(永福図書館作成)

4月

世界の夢の図書館

世界の夢の図書館

清水玲奈・稲葉霞織ほか/執筆  エクスナレッジ

ヨーロッパ、南北アメリカ、アジア、アフリカ、オセアニアの図書館から厳選された夢の図書館37館を紹介。
細やかで華やかな彫刻、絵画、写本、古文書、活版印刷物、名だたる作家たちの初版本や手稿といった貴重な書物。21世紀から時計を戻し歴史の一端に触れられる。
しかしながら、数ページめくると無料のワイヤレス・インターネットを完備し、壁や床が鮮やかに彩られた明るく近未来的なデザインの図書館があらわれる。
ページをめくるたびに異なる時代、異なる背景で建てられたさまざまな図書館と出会うことができる。これらの夢の図書館は、現在も実際に利用されている。
収蔵数、所在地などの基本情報に加え、開館時間、休館日、入館料、見学ツアーの有無なども掲載されているので、今後の旅行計画に「世界の夢の図書館」を加えてみてはいかがでしょう。(今川図書館作成)

3月

消費税25%で世界一幸せな国デンマークの暮らし

消費税25%で世界一幸せな国デンマークの暮らし

ケンジ・ステファン・スズキ/著  角川SSコミュニケーションズ

日本よりも何倍も高い税率でありながら、「世界一幸せな国」といわれているデンマークの高福祉、高負担社会の良い点、悪い点がわかりやすく説明されています。福祉の面だけではなく、医療や教育の面についても取り上げられていて、その点でも日本と大きな違いを実感することができます。また、この制度を支えている考え方や理念、国民の暮らしの例なども挙げられていて国民が受ける福祉や、負担する税の内容も詳しく説明されています。
著者は日本で生まれデンマークの国籍を取得しているので、日本の制度と比較した視点で内容がまとめられています。これから日本では増税が続くと考えられるので、よい参考になると思います。(中央図書館TRC作成)

2月

市民がつくった電力会社 ドイツシェーナウの草の根エネルギー革命

市民がつくった電力会社 ドイツシェーナウの草の根エネルギー革命

田口理穂/著  大月書店

ドイツにある「シェーナウの電力会社」の設立は、チェルノブイリ原発の事故をきっかけに、親たちが結成した「原子力のない未来のための親の会」が始まりでした。
彼らは、ドイツ政府と電力会社の対応に不信感を抱き、「変化を求めるなら自分たちで始めなくては…」と原発について猛勉強し、精力的に活動を開始しました。
しかし、活動には数々の困難が立ちはだかりました
「やり方が間違っていたなら、別のやり方で取り組もう!」
失敗を恐れず、何度でも立ち上がる彼らの姿は、読者をぐいぐいと引きつけ、より前向きな考え方へと駆り立てていくことでしょう。
本書では、脱原発や省エネについての知識など、彼らが実行したアイデアの数々が分かりやすく説明されています。福島原発事故を経験した私たち日本人へは特に、重く深く、訴えかけてくる一冊です。(方南図書館作成)

1月

なぜ和食は世界一なのか

なぜ和食は世界一なのか

永山久夫/著  朝日新聞出版

祝! 昨年12月に、『和食 日本人の伝統的な食文化』が無事、ユネスコの無形文化遺産に登録されました。私たちの和食が世界に認められたのです。 しかし、普段何気なくとっている食事。日本には何でもありすぎて、果たしてこれが和食といえるのか? 真っ当な和食とはどんなものなのか? 懐石料理や旅館の夕食のようなものを毎日食卓に並べるわけにはいかないし…。そんな素朴な疑問がわいてきます。
本書の著者は、福島県生まれの食文化史研究家であり、古代から明治時代までの食事復元の第一人者。日本人が古来続けてきた食生活、素材の持ち味を活かす発酵食品、だし文化、季節感の尊重などが、いかに理にかない、健康に良いかを紹介しています。最終章、定番和食のセレクトテンまで読めば、肩肘張らずとも毎日の普通の食事が和食なのだと安心し、明日の朝はご飯と味噌汁にしようと思わせてくれる一冊です。(高井戸図書館作成)

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