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おすすめ図書 2017年

12月

平城京のごみ図鑑 見るだけで楽しめる!

平城京のごみ図鑑 見るだけで楽しめる!

奈良文化財研究所/監修  河出書房新社

人間は、毎日ごみを生み出しながら生活しています。もちろん、今から1300年以上前の奈良時代の日本人も、ごみを生み出しながら日々を過ごしていました。当時のごみの多くは燃やされず、埋めたり水に流したりすることで捨てられたため、発掘調査で見つかることがあります。例えば、平城京のごみ捨て場からは、魚介類の骨や果物の種子などのいわゆる生ごみの他に、土器やかんざし、ほうきや箸などの日用品類、そして木簡などが出土しています。古代の庶民の暮らしを知るには、当時の文字資料が少ないため、発掘などの考古学調査が重要となります。そのため、発掘されたごみを読み解くことは、当時の人々の食生活や暮らしぶりを知る大切な手がかりになるのです。
本書は、奈良文化財研究所が2015年に開催した展示の内容を踏まえ、平城京の発掘調査で出土した様々なごみに焦点を当てた本です。ごみとして捨てられた理由やリサイクルの実態、ゴミ捨て場の様子、トイレ事情について、写真やイラストなどとともにわかりやすく紹介しています。ごみの中には、役人の似顔絵が描かれた板や猿の絵の練習をした形跡のある土器、「おかずがまずい」ことを訴えた木簡などもあり、1300年以上前の人々を身近に感じることができます。奈良時代に興味のある人もない人も、楽しく読める一冊です。(中央図書館作成)

11月

いとしいたべもの

いとしいたべもの

森下 典子/著  文藝春秋

一口食べたら思い出すなつかしい記憶。その時その瞬間を思い出す忘れられない味はありますか?この本は23品の食べものを著者の思い出とともに紹介するエッセイ集です。ラーメンからはじまり、オムライス、メロンパン、カレーライス、おはぎなど、身近なたべものについて思わずクスっと笑ってしまう体験や、ほろりと泣けるエピソードが昭和の空気の中で語られています。
読むだけでよだれが垂れてきそうなリアルな表現とユーモアたっぷりの視点からは、食べ物にたいする深い愛情が感じられます。著者の思い出の味を実際に確かめてみたい方は、本書の最後に、紹介された食べものの問い合わせ先が載っているため、ご参考いただけます。
著者が描いた魅力的な挿絵とともに、23品の「いとしいたべもの」ぜひ味わってみてはいかがでしょうか。(永福図書館作成)

10月

本屋、はじめました 新刊書店Title開業の記録

本屋、はじめました 新刊書店Title開業の記録

辻山 良雄/著  苦楽堂

既存のまちの本屋が閉店に追い込まれ、大型店ですら規模縮小を迫られる現在。
個人で新刊書店Titleをはじめた店主の辻山良雄さんが、本屋をつくるにはどうすればよいかを綴る。
思いがけず本とであえそうな佇まいの店内は、置いている本が見えにくくならないよう、ほかの本屋さんで見かけるようなPOPを置かないなど、「お客さまの邪魔をしない」というお店の姿勢を貫いている。その場だけでなく同じ流れのものを繰り返しおこなうことでお店の姿勢を伝えてくれる、ギャラリーでの企画展示や店内でおこなわれるトークイベント。居心地の良いカフェのおいしそうなメニューなど。
これまでに培われてきた知識とご経験からでてくるアイディア、人のつながりを大事にされている辻山さんの心遣いに、お店に訪れたくなる。
巻末に添えられている、本文中にもでてくる「Title事業計画書」にこめられた心構えは、新しくお店をはじめたいと考えている方にも参考になりそう。
京都の新刊書店「誠光社」の店主堀部篤史さんとの東西本屋店主対談を収録。(今川図書館作成)

 

9月

似ていることば

似ていることば

おかべ たかし/文 やまで たかし/写真  東京書籍

「フクロウとミミズクの違いを説明してください。」と言われて、「頭が円いのがフクロウで、頭に耳(羽角)があるのがミミズクです。」とすぐに答えられる人は、そうはいないと思います。普段、何気なくつかう言葉や目にするものの違いを聞かれると、なかなか難しいものです。
本書では、同じ読みでも異なる意味を持つ同音異義語(「明らむ」と「赤らむ」)・同訓異義語の紹介や、冒頭の「フクロウ」と「ミミズク」等の“なんとなく”形が似ていて“日常では違いを気にする機会がない”ちょっと唸ってしまう事例が多数掲載されています。比較するふたつのことば・もの・事象が、美しく印象的な写真とひねりのある解説で紹介されています。一瞬を切り取る写真家と言葉を操るライターが共同して発する日本語の面白さ・奥深さ。ぜひ読んでみてください。(中央図書館作成)

8月

断片的なものの社会学

断片的なものの社会学

岸 政彦/著  朝日出版社

社会学者である著者が、社会学では「分析できないもの」を集めたいという思いで書かれたエッセイ。日々の時間からあふれては消えてゆく、塵のような何かを拾い集め、丁寧に紡ぎなおす感性。そして社会学者としての冷静な視点が、読む者の思考を揺さぶります。語られることのない歴史がこんなにも身の回りにあることに気づいたとき、日常が少し変わって見えるかもしれません。ふと時間がとまって暮らしや、人生や、社会について思い返してしまう本です。夏休みにいかがでしょうか。紀伊國屋じんぶん大賞2016受賞。(方南図書館作成)

7月

シルクロード鉄道見聞録 ~ヴァチカンから奈良まで全踏破~

シルクロード鉄道見聞録 ~ヴァチカンから奈良まで全踏破~

芦原 伸/著  講談社

表紙全体にわたる路線図の長さにまず驚かされます。この路線をシルクロード(ローマから奈良)になぞらえユーラシア大陸鉄道横断、合計2万キロメートル、60日の旅の記録です。列車の同乗者のほか、訪れる各国の人々との交流、時にトラブルにも巻き込まれながらも、筆者かねてよりの宿願であったこの旅を心より楽しんでいる様子が感じられます。要所ごとに列車の走行記録、旅行ガイドでは知ることのできない情報も紹介されており、読者自身あたかも旅の同行者のような気分になります。普段耳にすることはあっても、漠然とした印象であったシルクロード、詳しく知らなかった途中の国々についても、宗教・鉄道事情等をうかがい知ることができ、さらなる興味を持つきっかけとなるかもしれません。
読み終わった後、列車で見知らぬ土地へ旅立ちたくなる…そんな気持ちにさせてくれる一冊です。(高井戸図書館作成)

6月

西南シルクロードは密林に消える

西南シルクロードは密林に消える

高野秀行/著  講談社

「誰も行かないところへ行き、誰もやらないことをやり、それを面白おかしく書く」がモットーである著者が、幻の西南シルクロードに挑んだノンフィクションです。
西南シルクロードとは中国・成都からミャンマー北部を経由しインド・カルカッタに至る古代通商路のことであり、最古のシルクロードと言われています。第二次大戦後、世界で初めてこの地を陸路で踏破することを目指しますが、旅は混迷と困難を極めます。圧倒的なジャングルと反政府少数民族ゲリラの支配する世界屈指の秘境の地を、どのように突破していくのか、旅の終わりに何が見えるのか、をぜひ本著を手に取って確認してみて下さい。
また本著と合わせて、同じくミャンマーを舞台にした同著者の『ビルマ・アヘン王国潜入記』(文庫版タイトル『アヘン王国潜入記』)と『ミャンマーの柳生一族』もおすすめします。(下井草図書館作成)

5月

恐竜はなぜ鳥に進化したのか

恐竜はなぜ鳥に進化したのか

ピーター・D.ウォード/著  文藝春秋

人類の歴史はたかだか数百万年。一億五千万年以上の長きに渡って生態系のトップに君臨し続けた恐竜は、他の生物と一体なにが違ったのか? ペルム紀後期の大量絶滅から、恐竜たちはいかにしていち早く過酷な環境に適応していったのか? 本書では生物の進化や淘汰の歴史を、地球上の酸素濃度の移り変わりと共にひも解いていきます。ティラノサウルスが上体を起こした格好をしているのも、恐竜が一般的な爬虫類のように横へ向かって腕を生やしていないのも、すべては生命にとって欠かすことのできない酸素のための進化だった
人間が命がけで登頂するエベレストの山頂の、そのさらに上空を悠々と飛び回る鳥たちの、低酸素下での驚異的な適応力は、恐竜を生態系の覇者に押し上げた要因と一体どう関係しているのか。
恐竜だけでなく、生物の誕生から哺乳類の台頭まで、読み応え十分の一冊です。従来とは一味違った視点で進化の歴史をながめてみてはいかがでしょう。(南荻窪図書館作成)

4月

ショパン・コンクール

ショパン・コンクール

青柳 いづみこ/著  中央公論新社 

ショパン・コンクールをご存知ですか。正式名称、フレデリック・ショパン国際ピアノ・コンクール。ポーランドのワルシャワで5年に一度開かれ、演奏曲は全てショパンのみというピアノの祭典です。世界三大コンクールの一つに数えられ、選考・審査における特殊性でも知られています。開催年の4月から書類選考が始まり、世界中から集った才ある若手ピアニストたちは10月の本大会までに行われる予選で何度もふるいに掛けられます。最終的には10名のファイナリストまで絞り込まれ、その10名で世界最高を競い合うのです。名だたるピアニストたちの名誉を懸けた争いは、様々な思惑が絡み合い、多くのドラマと事件を生み出しました。そんな知られざるコンクールの内情を、ピアニストであり文筆家でもある青柳いづみこさんが2015年大会のレポートを踏まえつつ肉薄します。次開催は2020年!東京オリンピック後もまだまだ熱くなれる、音楽好き必読の一冊です。ぜひともショパンの名曲を聴きながらお楽しみください。(阿佐谷図書館作成)

3月

中島らも短編小説コレクション 美しい手

中島らも短編小説コレクション 美しい手

中島らも/著 小堀純/編  筑摩書房

“体じゅうにガタのきた”中年レスラー下田牛之助が、最強の選手と闘わなければならなくなった。相手は、年もずっと若く、熊を2分で倒したこともある、空手の世界チャンピオン。ただの試合では終わらないかもしれない。もう二度と、大好きなリングに立てなくなるかもしれない。周りは逃げろというが、息子からの信頼を取り戻すために、逃げるどころか絶対に負けられない。この本は、中島らもさんの未発表作も含めた短編集ですが、その中から「お父さんのバックドロップ」を紹介。1980年代に発表された、児童向けの短編で、映画化もされました。テーマとしては、不器用な父と子の愛情物語といった感じ。はたして牛之助のプロレスは、空手に一矢報いることができるでしょうか。涙なしにはいられない試合の行方は、お子さんたちにはまだ難しいかもしれません。(西荻図書館作成)

2月

東京ディープツアー 2020年、消える街角

東京ディープツアー 2020年、消える街角

黒沢永紀/編著  毎日新聞出版

タイトルの「ディープツアー」とは著者曰く、色々な場所を訪れることではなく、東京に積み重なった時空を旅することだといいます。京都には及ばないものの、江戸時代も400年余経たので、東京もそれなりの時代地層ができたのが本書を読めば頷けます。とにかく“よくぞここまで発掘した”と感心する広範囲さです。《路地と迷宮》の章は怪しくて、ちょっと独りでは近寄り難いほどですが、紹介する文には著者の愛情が感じられ、「今すぐに行ってみてほしい」の言葉と共に、オールカラーの写真をふんだんに載せて、まるで説得されているようです。写真が語る失われゆく東京の古き良き姿―奇抜な表紙からは一瞬手に取るのをためらいますが、中を開けば哀切に満ち溢れて、きっと誰もが“東京オリンピックまでにはなくなってしまうのだろう”と思わずにはいられない内容です。著者の肩書には軍艦島伝道師もあり、各地の産業廃墟を映像などで作品化しています。最近流行りの廃墟・廃線・廃道・暗渠・路地裏に興味がある人なら、この本はまさに打ってつけで、一読したら必ず行きたくなる本です。(成田図書館作成)

1月

セロニアス・モンクのいた風景

セロニアス・モンクのいた風景

村上春樹/編・訳  新潮社

 作家の村上春樹氏が伝説的ジャズピアニストのセロニアス・モンクに関する文章を集めて翻訳した本。表紙は元々イラストレーターの安西水丸氏が描く予定だったが、彼が亡くなってしまったので、代わりにオマージュも込めて和田誠氏が水丸タッチのとてもチャーミングな表紙を描いている。本書は当時セロニアス・モンクに関わった人々の貴重な証言がたくさん詰まっていて、そのどれもが彼の独特で孤高な音楽への尊敬と愛に満ちている。ジャズファンだけでなく、これからモンクの音楽を聴いてみようという人にもおすすめできる。また巻末の村上氏の「私的レコード案内」もとても素晴らしいガイド/モンク賛歌となっている。最後に、本書の中からセロニアス・モンクの音楽を象徴する有名な発言を引用したい。「私が言いたいのは、自分のやりたいように演奏すればいいということだ。世間が何を求めているかなんて考えなくていい。演奏したいように演奏して、自分のやっていることを世間に理解させればいいんだ。たとえ十五年、二十年かかったとしてもだ」(宮前図書館作成)

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