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おすすめ図書 2020年

9月

建築探偵の冒険 東京篇

建築探偵の冒険 東京篇

藤森 照信/著  筑摩書房

建築家であり建築史の研究家でもある著者は昭和49年に「東京建築探偵団」を結成した。彼らは都内をすみずみまで歩いて調べ、建物の遺族に話を聞き、古い書物にあたり12年もの歳月をかけて東京の近代建築にまつわるエピソードを集めた。看板建築、ダダイズム、東京駅や皇居などの建造物、新一万円札の顔となる渋沢栄一と兜町の関係などが描かれている。またそれだけにとどまらず、建物にまつわる風土や民族、文化、東京の都市計画にまで話は及ぶ。柱や床の装飾、建物の梁などの細部をとらえた写真は一見に値する。うっかり迷い込んだ風を装って個人宅の建築物の庭に入り込んで調査するなど(今ではちょっと考えられないかも)、探偵団の名前にふさわしく、面白い話が盛りだくさん。建築に興味がある人はもちろん、読み物としても楽しめる。(阿佐谷図書館)

8月

蒸気機関車紀行

蒸気機関車紀行

神谷武志/著  天夢人(発行) 山と渓谷社(発売)

「SLもおか」「SLみなかみ」「SL大樹」など、動作・運用可能な状態で保存され、本線を運行している人気の蒸気機関車や公園や博物館に保存されている蒸気機関車など、今会うことができる蒸気機関車全611両を紹介した本です。
 国内で動態・静態保存されているすべての蒸気機関車がデータリスト化され、保存場所から保存状態、見学の可不可がわかるリストも掲載されています。
鉄道カメラマン・鉄道フォトライフプランナーとして活躍する蒸気機関車を知り尽くした著者が、撮影した迫力ある写真やわかりやすく読み応えのある解説文も魅力的な一冊です(西荻図書館作成)。

7月

悩む力 べてるの家の人びと

悩む力 べてるの家の人びと

斉藤 道雄/著  みすず書房

 北海道浦河町にある「べてるの家」は精神障害、アルコール中毒の人たちが生活を共にする共同住居です。ソーシャルワーカーの向谷地さんが古い教会に住みつき、当初はアルコール依存症の自主グループや精神科を退院した人たちの集まりの場として展開していました。そこへいつしか、精神障害の人がひとり、ふたりとやってきて、向谷地さんとともに暮らすようになったのが始まりです。昆布の袋詰めの内職が打ち切られ、メンバーの一人が放った「金儲けするべ」の一言で会社を立ち上げてから、多くのユニークな活動を行っています。彼らは発作に悩まされながらも働く場を生み出し、「暮らす」ということを「べてるの家」で実践してきました。病気を治して一人前に働く、社会復帰を果たすという世間一般の考え方を覆し、「そのままでいい」というメッセージを発信し、悩みながらぶつかり合い、人間同士のつながりの場を作り上げてきました。
 「悩む」ということ、「生きる」ということの意味を考えるきっかけとなる一冊です。(成田図書館作成)

6月

すべての、白いものたちの

すべての、白いものたちの

ハン・ガン  河出書房新社

韓国語で白い色を表す言葉には「ハヤン(まっしろな)」と「ヒン(しろい)」、二つの言い方があります。この本の原題は、生や死の意味あいで使われる「ヒン(しろい)」です。

「白い」都市、ワルシャワ滞在時に書き始めたというこの本では、ハン・ガンさんの母親が22歳で女児を産み、2時間で亡くなってしまったというエピソードが、「おくるみ」「産着」「タルトック(陰暦の仲秋に食べる餅)」などといった「白いものたち」とともに綴られています。

この本はそれぞれ違う色の「白いものたち」が登場しますが、それを表すかのように、5種類の異なる「白い」紙によってページが綴じられています。こだわった装丁と韓国語で詩集も出している斎藤真理子さんの翻訳が一体となって、作品の世界を届けてくれます(宮前図書館作成)。

5月

私、失敗ばかりなので へこたれない仕事術

私、失敗ばかりなので へこたれない仕事術

内山 聖子/著  新潮社

 “私、失敗しないので”の決めゼリフで有名な人気ドラマ「ドクターX~外科医・大門未知子」のプロデュサーである著者のもとには、それゆえに失敗しない仕事術といったテーマでの講演依頼があるといいます。ところが逆にそこで話すことは失敗談ばかりだそうです。それはなぜなのでしょうか? 著者はテレビ局に入社以来、様々な仕事を経験し最終的にドラマプロデュサーになりますが、その過程でつかんだ結論が、失敗やムダこそが成功には不可欠だということです。著者の実体験に基づいているため、説得力があります。また仕事をうまくやっていくためのヒントがたくさん紹介されていますし、ドラマ作りが行われる過程における様々なエピソードは大変面白いです。本書を読んでへこたれないで仕事をやっていく勇気をつかんで下さい。(高円寺図書館作成)

4月

万葉集であるく奈良

万葉集であるく奈良

上野 誠/著、蜂飼 耳/著、馬場 基/著  新潮社

新元号「令和(れいわ)」の典拠、いわゆる出典は、奈良時代末期に成立したとみられる日本に現存する最古の和歌集である『万葉集』です。
 『万葉集』約4500首のなかで、奈良を詠んだ歌は延べ約900首にのぼります。それらの歌が詠まれた時期は、飛鳥(592~694年)、藤原(694~710年)、平城(710~784年)に都があった192年、政治、経済、文化の中心が奈良盆地にあった時代です。
 万葉びとのふるさと、飛鳥京。はじめての巨大都市、藤原京。花ひらく万葉文化、平城京。三つの古都を軸に、日本の歌のふるさとをガイドします。
 また、名峰の香久山、畝傍山、耳成山に登る紀行「大和三山、てくてく巡り」や、木簡と歌から当時の万葉びとの暮らしを解説しています。
 平城京の誕生から約1300年、遷都の時代を生きた万葉びとの世界を探りに、古代ロマン溢れる日本の歌のふるさとを体感しましょう。(柿木図書館作成)

3月

ロボット・イン・ザ・ガーデン

ロボット・イン・ザ・ガーデン

デボラ・インストール/著、松原 葉子/訳  小学館

 アンドロイドが一般家庭に普及して、家事や仕事に従事する近未来のイギリス。心の傷とうまく立ち向かえないまま大人になった、主人公のベン。ある日、自宅の庭に突然、ロボット・タングが現れる。壊れかけのタングを修理するため、ふたりは世界半周の旅に出ることになります。
 
 おんぼろでガタガタで最新型ではない、そんなタングに多くの読者は虜になるはず。とにかく「タングが可愛い!」のです。なにかというと「やだ」といい、すぐ癇癪をおこす旧型ロボット。面倒で手間がかかって、わがままで。でも、読み進めていくうちに、このロボットが愛おしく思えてくる。まるで、人間らしい心が通っているかのようで。

 タングと、わたしの自宅で飼っている猫が重なりました。呼んでも無視され、だっこは嫌いで、でもさみしがりやで。猫と人間の間柄は、ゲームとは違う、アナログなものです。タングとベンとの間柄に似ているかも?タングは、AIを搭載したロボットなのに。
 酒井駒子さんが描かれた、カバー画のタングも一見の価値があります。
 2020年、日本ではミュージカルにもなるそうです。(中央図書館作成)

2月

なんでわざわざ中年体育

なんでわざわざ中年体育

角田光代/著  文藝春秋

角田光代さんが参加されたフルマラソン体験を中心としたエッセイです。決して運動が好きではない著者が、様々なスポーツに挑戦するのは「体力作りに有効かどうか」ではなく「自分にできるかどうか」に興味があるからだそうです。東京マラソンを手始めに、数々のマラソン大会に国内外問わず参加。その間に、トレイルランニング、登山、ボルダリング等にも挑戦。著者自身には相当きつく辛い事でも、読んでいるとクスッと笑ってしまったり、そうだよね!と共感したり、目頭が熱くなったり。沿道で応援してくれる人達の声援、素晴らしい景色、どれも体感しているような気持ちになります。その他にも、増田明美さんとのランニング、夜の高尾山ハイク、ワインを飲みフルコースを食べながら走るメドックマラソン等々、非日常的な体験談も多くわくわくさせられます。いつかどこかで、颯爽と走る著者と遭遇できるチャンスがあるかもしれません。(永福図書館作成)

1月

ショートショート美術館 名作絵画の光と闇

ショートショート美術館 名作絵画の光と闇

太田 忠司・田丸 雅智/著  文藝春秋

 ゴッホの「夜のカフェテラス」を観たことがありますか。かの有名な「ひまわり」の黄色が印象的で情熱的な画風とは違い、鮮やかな藍色に星がチラチラと輝く都会の夜を、洗練された画風で描いています。
 美術館ブームの今日、あらゆる美術館で名高い画家の展覧会が催され、有名美術館所蔵の絵画を観る機会に事欠きません。しかし、1枚の絵をじっくり味わい、その絵にまつわるエピソードを見聞きすることはあっても、その絵の印象から、物語を空想し生み出すことはないでしょう。
 本書では、ふたりの作家が「夜のカフェテラス」をはじめ、古今東西10枚の有名な絵画を選び、ショートストーリーを競作しています。同じ題材から創られた二つの話に、名画の光と闇を見出したり、どちらの話がその絵にふさわしいかを比べたり、どう楽しむかは読者次第。この本を読んでから、実際に絵画を目にすると、印象が全く違ってくるかもしれません。(今川図書館作成)

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