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本の中のすぎなみ 2019年

4月

平成大家族

平成大家族

中島 京子/著  集英社文庫

元歯科医の緋田龍太郎と妻春子、認知症気味の姑、そして長期引きこもりの長男。一家4人は杉並の家で暮らしています。そこに突如、自己破産した長女夫婦とその息子が転がり込み、さらに、離婚して若い芸人との子を宿した次女が出戻って、一家は一気に4世代8(9)人の大家族に膨れ上がります。
各章ごとに、家族の一人が主人公となり、それぞれの心情が描かれていきます。彼らの抱える悩みは、平成を生きてきた私達にとって他人事とは思えないものばかりですが、作者の絶妙な語り口によって、重くならず、可笑しみすら醸し出されています。
逡巡の末、やがて息子や娘達は、それぞれ新たな活路を見出していくことになります。
ところで、家族の住む杉並の家は、「中井草」という架空の地にあります。長女の息子が通う中学校も実在しません。しかし、周辺の様子は細かく描き込まれています。最寄りの駅は西武線沿線。荻窪駅から帰宅する場合は、「中井草」駅行きの関東バスに乗り、「妙冠寺池」という停留所で降ります。架空の地ではありますが、杉並北部の閑静な住宅街をイメージすることができます。(高井戸図書館作成)

3月

誰かと暮らすということ

誰かと暮らすということ

伊藤 たかみ/著  角川書店

 下井草は、杉並区の北に位置する住宅地の広がる静かで落ち着いたまちです。
 こののんびりしたまちを舞台にした小説に『誰かと暮らすということ』があります。うまく気持ちを伝えられない不器用な男女の恋愛模様を軸に、下井草というまちに住む人々を主人公とする短編集です。著者は『八月の路上に捨てる』で芥川賞を受賞した伊藤たかみさん。大事件が起きたりはしないが、登場人物たちの日常のささやかな幸せに、読後感はほんわかと心温かくなります。
 ちなみに物語のなかではまち並みの描写はあまりありません。作品によっては下井草の「下」の字すら出てきません。だけど読み進むうちに不思議と私の知っている下井草の情景が浮かんできます。では、まちの描写がまったくないのかというと、そうでもありません。表題作である「誰かと暮らすということ」には登場人物が感じた下井草の雰囲気について描かれていて、それは誰かと暮らす秘訣と同じだと語られています。下井草に住んでいる方ならニヤリとすることでしょう!(下井草図書館作成)

2月

杉並たてもの応援団が選ぶ まちかどの名建築

杉並たてもの応援団が選ぶ まちかどの名建築

杉並たてもの応援団/編集  杉並たてもの応援団

町を歩いていると、ぱっと目を引く独特な建物やレトロな外観の住宅を見かけることはありませんか? この本では、東京女子大学や浴風会本館、中央図書館の近くにある西郊ロッヂング・旅館西郊本館など、杉並区内の歴史ある「名建築」を、カラー写真とともに紹介しています。
通常は一般公開していない建物の写真や、今は取り壊されてしまった「まぼろしの名建築」の写真など、貴重な写真も多く掲載されています。また、瓦や壁、窓やタイルなどの建物のディテールの見方や、杉並区内の建物の特徴など、知っておくとまち歩きをさらに楽しめる豆知識が紹介されているのも嬉しいポイントです。
本書を作成した「杉並たてもの応援団」は、1999年の発足以来、杉並区内の歴史的建造物の調査・保存などの活動をしている団体です。応援団が選んだ「人々の息吹(生活感)のある建物」「手造り感のある建物」を、是非本書を通して確かめてみてください。(中央図書館作成)

1月

我、弁明せず。

我、弁明せず。

江上 剛/著  PHP研究所

明治、大正、昭和と激動の時代を、三井銀行のトップ、日本銀行総裁、大蔵・商工大臣まで務めた池田成彬という人物がいました。
 周りからの圧力にも負けず、常に自分の信念を貫く姿は「サムライ」とも呼ばれていました。
 昭和12年(1937年)第1次近衛文麿内閣が発足し、昭和13年(1938年)近衛内閣改造時に大蔵兼商工大臣として内閣参議に加わり、近衛文麿と対峙する場面が出てきます。その場所が荻窪にある荻外荘でした。当時荻外荘は近衛文麿の邸宅でした。
 また、昭和15年(1940年)には、状況の厳しくなってきた日中戦争の今後の方針を協議する話し合いがそこで行われたことも書かれています。この協議には陸相であった東条英機も訪れ参加していました。
 数々の政治の話し合いが行われ時代を動かした人物も訪れていた荻外荘。ここ荻窪でどのように日本の未来が決まっていったのか、敷地の一部は公園にもなっているので、読み終えた後に、足を運んでみるのも良いかもしれません。(南荻窪図書館作成)

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