毎月、杉並区内図書館のYA担当者がおすすめの本を紹介します。
在庫状況は、検索して調べるか、図書館の人に聞いてくださいね。
4月のいま、この本

野生生物は「やさしさ」だけで守れるか?
去年の9月、鹿児島県の奄美大島ではマングースの根絶宣言がなされました。人が持ち込み、人が根絶するという、人間の身勝手さに対してはマングースへの同情を禁じ得ないものです。また、シカ、ウミガメ、ヒグマの駆除に対する抗議は正しいのでしょうか。
そもそも野生生物と人間社会の共存に正解はあるのでしょうか。様々な生き物への対応を挙げ、命というものを考えさせる本。

AIに書けない文章を書く
自ら学習したデータをもとに、指示に応じて自動的にテキストを作り出してくれる生成AI。だったら、もう自分で文章を書く必要なんてない? AIではなく、人間にしか書けない文章っていったいどんなものなのでしょうか。また、ネット上の短くて直感的な「チャットことば」に流されずに、自分の考えをきちんと伝えるためには? SNS時代になっても変わらない、「自分にしか書けない」「伝わる」文章の基本を知ることができる一冊です。

アフェイリア国とメイドと最高のウソ
大雨による洪水の危機が国家に迫るなか、女性最高指導者が逃亡! その影武者となったのは、なんと15歳のメイド。バレたら処刑の綱渡り、誰が見方で誰が敵? 押し寄せる水と渦巻く陰謀から町と市民を守るため、ただのフリでは済まなくなって…。スリルとユーモアが満載の、少女の冒険と成長の物語。
3月のいま、この本

<弱いロボット>から考える (岩波ジュニア新書989)
たとえば、自分ではゴミを拾えないゴミ箱ロボット。本書にはそんな不完全な<弱いロボット>たちが登場します。 しかし彼らは弱点をさらけ出し、周囲の人の助けを借りることで目的を達成し、人との間に持ちつ持たれつの 豊かな関係性をも築きます。私たち人間もまた、誰の助けも得ずに生きることはできません。 周囲の人や社会との関わりかたを考えるとき、この<弱いロボット>の思考は大きなヒントになってくれることでしょう。

13歳からの行動経済学 推し活中学生のお小遣い奮闘記
萌はK-POPアイドルに夢中の中学1年生。“推し”のライブには行きたいし、限定グッズもほしい! けれどお小遣いは少ないうえに、貯金したくてもつい目先のほしい物にお金を使ってしまう。 そんな悶々とした日々をすごしていたとき、ひとりの行動経済学者に出会い萠の人生は少しずつ変化していきます。 人が「つい」してしまう行動や選択には、行動経済学で説明できる理由がある! 事例の数々をひとつの物語に集約した、誰もが気軽に読み進められる入門書です。

恋愛相談 「好き」だけじゃやっていけません
校内でおきたある事件をきっかけに恋愛相談室をつくった高校1年生の3人、 アメリカ育ちのアイ、元男子のゆき、控えめな美鳩。 接点のなかったクラスメイトが協力して相談者と向き合いますが、恋の悩みはまさに難解! 10歳年上の彼のため、好きでもないワンピースを着て家出をもくろむ少女。 彼女の怒っている理由がわからないサッカー少年。 「悩みは聞いてあげるだけで半分以上解決する」とアイは言うものの、 事態はどんどん悪化し、恋愛相談室も危機に見舞われる!
2月のいま、この本

日本手話へのパスポート アヤ・セナ・ユイと学ぼう
「日本手話」は、耳が聞こえない人(ろう者)の言語です。生まれた時から聞こえないアヤ、セナ、ユイにとって、聞こえないのはふつうのこと。小さいころから、日本手話を使って会話しています。そんな彼らが写真と動画で手話を実演してくれるこの本で、外国語を覚えるように、日本手話の基本を身につけてみませんか?

しごとへの道
みなさんは、なりたい職業がみつかっていますか? この本は、迷ったり、悩んだり等をしながら、自分の好きをしごとにした人の子ども時代から仕事につくまでを、コミック風にまとめてある本です。 第1巻は、パン職人、新幹線運転士、研究者 第2巻は、獣医師 オーケストラ団員 地域おこし協力隊 です。上の職業に就きたい人はもちろん、違う職業に就きたい人や、まだみつかっていない人でも、参考になるかも?!

保健室経由、かねやま本館。
友達グループから突然絶交された中学1年生の「サーマ」。うちのめされた彼女の前に現れたのは、あるはずのない「第二保健室」。さらにその地下にあったのは、中学生専門の湯治場「かねやま本館」でした。不思議だけれど優しい湯治場の人々や、同じように傷ついた他の中学生客との交流に、徐々に癒されていくサーマでしたが……。 現在シリーズ8巻まで刊行中です。サーマの物語を読み終えた人はぜひ続きもご覧ください。「かねやま本館」の謎も明らかになっていきます。
1月のいま、この本

スマホ片手に文学入門
「登場人物の心情を考える」という国語の試験や授業で、「本の読み方なんて自由でいいのに」と思ったことがある人は多いのではないでしょうか。もちろん自由でいいのです。しかし、自由の幅を広げるには基礎知識が必要です。まだ自分が知らない気持ちやその表現を知れば、より自由に文学を楽しむことができると思います。この本は、名作三編を用いて、本を自由に読む術について分かりやすく解説しています。

恋愛ってなんだろう?
「年の離れた異性への憧れ、同性同士での恋愛、国籍の違う相手との恋愛、住む世界の違う芸能人に抱くときめき、いろいろな“好き”の形にスポットが当たる現代。 思春期になると、自立と共に今まで感じたことがない気持ちに困惑することが増えていきます。この本では少し他人に聞きにくい恋愛の疑問を著者に相談するような形で解説しています。10代に学んでおきたい多様化する恋愛観について考えるヒントを教えてくれます。

はじめての哲学
「哲学」という言葉を聞くと、多くの人は「難しい」という印象を受けるでしょう。 この本では、知識、心、美と芸術など、多様な側面から哲学の基本的な考え方をポップなイラストと簡単な言葉で提示してくれています。今までの当たり前を疑うことで、楽しみながら哲学について考える1冊です。