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いま、この本 2021年
5月
毎月、杉並区内図書館のYA担当者がおすすめの本を紹介します(今月は、今川図書館が担当)。
在庫状況は、検索して調べるか、図書館の人に聞いてくださいね。
学校、行かなきゃいけないの?
雨宮処凛 河出書房新社
学校生活は充実していますか。学校ではなく、すでに、自宅でずっと過ごしている人もいるでしょう。 理由やきっかけは様々で考え方もそれぞれですが、学校に行かないという選択をした人たちの現在の様子やその後の人生についての経験談は、あなたの視野をきっと広げてくれます。明日、もしあなたがその立場になったなら…。 「あなたを大切にしてくれない場所にいてはいけない!」作者は何度もそう呼びかけます。自分の未来のために、幸せな人生を送るために、ぜひ手に取ってほしい一冊です。
きみがつくる きみがみつける 社会のトリセツ
稲葉 麻由美・高橋 ライチ・舟之川 聖子 三恵社
わたしたちは、いつの間にか「子ども」や「大人」として社会に居ることになっています。でも社会って誰がつくっているのでしょう。この本では「社会は自分で取り扱える」ものとして、三人の著者が「十代のころに聞きたかった!」話題について、経験をもとに書いています。生と性、友達、恋、怒り、境界線、居場所、アート、仕事…。 迷っているのは大人も同じ。あなたがこの世界でひとり、人生の大切な問いに向かい合うとき、決してそれを笑ったりごまかしたりせずに、丁寧に扱おう。そんな思いが伝わって、大人も捨てたもんじゃない、と思えるかも。ヒントやアイデア、勇気の種が詰まった、ほんとうの「実用」本です。
わたしが鳥になる日
サンディ・スターク‐マギニス/作 千葉茂樹/訳 小学館
「わたしはいつか鳥になる」と信じる11歳の少女・デセンバーと、“鳥と話す人”と呼ばれるエリナーの物語。自分の居場所を見つけられないデセンバーは鳥になって飛び立つことばかりを願っていますが、エリナーや翼を怪我したアカオノスリのヘンリエッタと出会い、気持ちを通わせていくことで少しずつ変化していきます。 エリナーが口ずさむビートルズの名曲「エリナー・リグビー」をテーマソングに綴られるその詩的な文章、色鮮やかな表現は、一本の映画を観ている気持ちになれます。
詩人になりたいわたしⅩ
エリザベス・アセヴェド/作 田中亜希子/訳 小学館
ニューヨークで暮らす高校生の女の子、シオマラ(Xiomara いつでも戦える人、という意味!)。両親はドミニカ共和国からの移民だ。信仰にすがる母親に厳しく縛られ、握りしめるこぶしと沈黙のぶん、湧き上がる思いを刻んだ秘密のノートは膨れていく。そんな時「スポークンワードポエトリー部」のチラシを目にし、内なる「詩人X」の存在を無視できなくなる。いえないこと、いわないことを記し続けた一冊分の詩を胸に、ひらかれたマイクの前へ。すべてを書ききれるわけじゃない、それでも、心を言葉にして外へ出し、声にして解き放つ――。「言葉には力がある」それは小刀であり、ロープであり、ランタンの光である。秘密基地であり、広場でもある。これら詩の言葉にふれる時、あなたの内にも共鳴する「X」についての物語。
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