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いま、この本 2021年
12月
保健室のアン・ウニョン先生
チョン・セラン/著 、 斎藤 真理子/訳 亜紀書房
最近とても面白い作品が続々と訳されている韓国の小説のひとつ。 ある高校に赴任してきた養護教諭のアン・ウニョン先生は、学校で原因不明な怪奇現象や不思議な出来事が続くことに気づく。彼女は霊能力者なのだ。BB弾の銃とレインボーカラーの剣を手に、さまざまな謎や邪悪なものに立ち向かっていくのだが…。 こう書くと何だか荒唐無稽な話のように聞こえますが、現実の高校生や先生たちの悩みや喜びがとてもよく描かれていて、単なるファンタジーではない魅力があります。読んでいて辛い現実に苦しかったりもするのですが、ウニョン先生がバッサバッサと敵たちをBB弾とおもちゃの剣で倒していくのが痛快で、その姿を想像するとクスっと笑えてもきます。 ドキドキあり、笑いあり、そしてホロっともする、面白い小説の条件3拍子がそろった作品。題名でちょっと損してる気もしますが、後味も爽やか。おすすめです!
ダイエット幻想 やせること、愛されること
磯野 真穂/著 筑摩書房
やせたいという思いが自分の中にどのような形で存在しているのか。ぼんやりとしていた輪郭が読み進めるほどにはっきりとしてくるような、そんな一冊。こうすべきと断罪するのではなく、様々な例を提示することによりこちら側に問いを投げかけてくる。そう願ったのか、そう願わされたのか。やせたいという思いに限らず、 自分の中のあらゆる願望を見つめ直したくなる。
ガール・コード プログラミングで世界を変えた女子高生二人のほんとうのお話
ソフィー・ハウザー/著 、 アンドレア・ゴンザレス/著 、 堀越 英美/訳 Pヴァイン
ソフィーは人前で発表したり発言したりするのが苦手な女の子。そのことを考えただけで緊張して動けなくなってしまうほど。他人に評価されるのも怖いし、自信もない平凡な高校生。だけど、多くの人に影響を与える人になりたいと思っているし、世界をより良くしたいと夢みている。 アンディは「女の子はこうあるべき」という保守的な考えの両親のもと、英才教育を受け、小学校受験で入った音楽学校でピアノづけの日々。でもそのことには感謝している。憧れていた映画の主人公のようにエンジニアになるべく進路を決めたけれど、両親の期待に応えなければというプレッシャーをいつも感じている高校生。 そんなふたりが、7週間のサマープログラムに参加して、コーディングというものを習い、チームを組んで作った最終課題のゲームがすごいことに。様々な人との出会いや、驚くような体験、それらに刺激を受け苦手やプレッシャーを克服して成長していく。ドキドキ感やワクワク感が伝わってくる、ふたりの体験記。
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